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ヴィルヘルム・ハンマースホイ展

2008年11月07日 15:13 [art]

上野の東京国立美術館で 「大琳派展」 を観た後、ついでに国立西洋美術館に寄り、「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」 を観た。

ヴィルヘルム・ハンマースホイ(Vilhelm Hammershoi, 1864-1916)はデンマークの画家。特に期待していなかったのだが、これが大当たり。世間であまり知られていないのが不思議に思えるほど素晴らしい内容だった。

色調はモノトーンに近く、彩度は低めに抑えられている。建築・風景画からは人の気配が感じられず、肖像画の人物からは静物のように生気が感じられない。

また、ハンマースホイが住んでいたコペンハーゲンのアパートの一室(ストランゲーゼ30番地)を描いた一連の作品の中の人物は、しばしばこちらに背を向けて佇んでいる。

ハンマースホイの描いた絵を観ると、暗くて寒くて冷たくて、心が凍えそうな程の寂しさを感じる。が、凄まじく美しい。万人受けはしないだろうが、例えばデイヴィッド・ホックニー(David Hockney)とか好きな人にオススメ。

個人的には、割と初期の "Seated Figure, Seen from Behind (Anna Hammershoi)" が特に好きだった。画家が妹の後頭部を斜め下から見上げるように描いた作品で、輪郭はぼやけ、耳は首と溶け合っている。まるで、レンズの絞りを全開にし、被写体深度を狭くしたカメラで撮影したかのようだった。

大琳派展

2008年11月06日 22:51 [art]

「大琳派展」 を観に、上野の東京国立美術館・平成館へ赴いた。

俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一による4点の 「風神雷神図屏風」 が一同に揃う貴重な機会ということもあり、入場待ちこそなかったが、平日の割にかなり盛況だったかと思う。

質・量共に申し分ない展覧会で、非常に見応えがあった。その中でも個人的には特に、俵屋宗達下絵・本阿弥光悦筆の 「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」 に感銘を受けた。金銀泥で描かれた飛翔する鶴のシルエットの連続に、音楽的なリズムを感じた。

それ以外にも、尾形光琳の 「八橋蒔絵螺鈿硯箱」 や酒井抱一の 「四季花鳥図巻」 などに目が釘付け。福眼。

ジョン・エヴァレット・ミレイ展

2008年09月09日 11:02 [art]

先日、「ジョン・エヴァレット・ミレイ(John Everett Millais)展」 を観に渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアムへ赴いた。日本での本格的な回顧展としては初。

お目当てはもちろん、「オフィーリア」。普段なら英国のテート美術館まで行かなければ観れないのだが、実際に目の当たりにするとやはり圧倒的。背景の木々の枝や葉の一枚に至るまで描写があまりに精緻なため、絵画というよりもまるで白黒写真に色を塗ったかのように見えた。

他には、「マリアナ」 や 「夢遊病の女」 が好きだった。また、「1746年の放免令」 は犬の毛並みやウールのコートの風合いなど、毛の質感表現が秀逸だった。

というわけで、見応えのある展覧会だったのだが・・・、展示作品全体を観た感想としては、個人的にはあまり好みの画家ではなかった、というのが正直なところ。展覧会の後半に並んでいた、いかにも売れそうなファンシー・アートや肖像画の数々を観て、ミレイは画家としてだけでなく、商売人としても優秀だったんだなあ・・・とオモタ。

平城遷都1300年記念 国宝 薬師寺展

2008年06月06日 22:48 [art]

6/6(fri)、上野の東京国立博物館に赴き、「平城遷都1300年記念 国宝 薬師寺展」 を観た。

会期が 6/8(sun) に終了するため、俺のような駆け込み来場者が多く、午前中に着いたものの既に長蛇の列。80分待ち。お陰で若干、日焼けした。

しかし、展示内容は素晴らしく、長時間待った甲斐があった。日光・月光菩薩立像、そして聖観音菩薩立像は、まさに究極の美。これほど美しい像が、千数百年も前に創られていたことに感服。

東塔のてっぺんに設置されている水煙(の模造)も展示されていたのだが、間近に見ると思っていたよりずっとデカくて驚いた。

木造に彩色されていた玄奘三蔵坐像も秀逸。鎌倉時代の作らしいのだが、今にも動き出しそうな程にリアルだった。

ところで、俺が退場した時には、行列に並んで入場待ちする人はさらに増加。120分待ちになってた・・・。

杉本貴志展 「水の茶室・鉄の茶室」

2008年05月31日 23:03 [art] [design]

5/31(sat)は、妹の結婚式と食事会に出席した後、南青山のTOTO乃木坂ビル内 「ギャラリー・間」 に赴いた。本日が最終日の杉本貴志展 「水の茶室・鉄の茶室」 を観たかったので。

鉄の廃材でつくられた鉄の茶室もいいけど、何と言っても水の茶室が圧巻。これだけのために脚を運んでも損はない。

暗い部屋の中に無数の細いワイヤーが縦方向に張られ、そのワイヤーに沿って水滴が次々と等間隔に滑り落ちていく。その水滴の壁を眺めていると、上昇するエレベーターに乗っているかのような錯覚に陥る。もちろん、床は全く動いていないのだが。

非常に美しく、観てると時間の経つのを忘れそうになるが、近くにいた女の子が関西弁で 「ずっと見てると酔うで」 とか言っててワロタ。

「アリス幻想」

2007年12月12日 23:00 [art]

銀座のスパンアートギャラリー(span art gallery)に赴き、企画展 「アリス幻想」 を観てきた。

ルイス・キャロルの名作 「不思議な国のアリス」 をモチーフに、総勢26名の作家が競作。アリスは未だに創作意欲を刺激するアイコンなのだなあ、と再認識。

個人的には、東逸子氏、上田風子氏、宇野亜喜良氏、酒井駒子氏、鳩山郁子氏、山本タカト氏の作品が特によかった。買いたい衝動にかられたが、既に大抵の作品は売約済みだったので大枚叩かずに済んだ。アレは欲しくなるよ。

アートで候。会田誠 山口晃 展

2007年06月08日 23:52 [art]

上野の森美術館にて、「アートで候。会田誠 山口晃 展」 を観てきた。見応えある2人の作品群を堪能。

会田誠氏が描く絵の中の女子は、男の欲望をダイレクトに映す鏡のようだ。藤田嗣治のような乳白色が美しい 「大山椒魚」 や、新作 「滝の絵」 など、そこに自分の欲望を見せ付けられているようで、爽快感と同時に居たたまれない気分になる。

個人的には、おびただしい裸体の地獄絵図 「ジューサーミキサー」 に目がクギ付け。ブルッた。あと、ポスター(全18連作)ワロタ。

山口晃氏の作品を生で観るのは今回が初めてだったのだが、上手すぎ!すげーわ。あの精緻な描き込みは尋常じゃないぜ。ジグソーパズルにしたら売れそう。ところで、「多聞天」 は描きかけに見えるのだけど・・・、未完?それとも完成品?

2Fの 「山愚痴屋澱エンナーレ 2007」 では、山口晃氏がその尋常でない画力とはあまり関係ない方向で創作した作品群が並ぶ。「絵はこんなに役に立つ」 とか 「解読」 とかオモロス。

プライスコレクション 若冲と江戸絵画展

2006年08月05日 23:17 [art]

伊藤若冲 「花鳥人物図屏風」(一部)「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」を観に上野の東京国立博物館(平成館)へ赴いた。

展示室は4つあり、最初の部屋には比較的スタンダードな18世紀前半までの絵画が展示され、2番目の部屋に伊藤若冲の作品が展示されていた。

最初の部屋の絵画群は、掛け軸も屏風絵もいわゆる想定の範囲内で大した感動も無く、流して観た。しかし、2番目の部屋に足を踏み入れ、若冲の「花鳥人物図屏風」が目に入った瞬間、「スゲー」を通り越して「何コレ?」と思うほどショックを受けた。21世紀の現代に生きる俺がそう思うのだから、18世紀当時の人々が感じたであろう驚きは計り知れない。

その「花鳥人物図屏風」や「鶴図屏風」は、白地に墨のみで描かれていることもあり、無駄な要素を極力省き、一見簡素でラフな印象。しかし、その軽やかで自由な筆使いは、全てのタッチが見事にキマッてる。激ウマ!

若冲は、他の画家とはレベルがあまりに違い過ぎた。ピカソやダ・ヴィンチに匹敵する大天才だったんだと思わず畏怖の念を抱いたよ。

巨大なドット絵のような 「鳥獣花木図屏風」 は、江戸時代の作品と思えない。時代を超越してるよ。枠に囚われない自由な絵だね。ユニークな生物たちが笑える。個人的には、空に浮かんでる雲の上に寝そべって下界を見下ろしてるリス(?)のような謎の小動物がお気に入り。

伊藤若冲 「鳥獣花木図屏風」

また、この展示会では非常に面白い趣向があった。4番目の部屋では、掛け軸も屏風絵もガラスケースに入れず素のまま展示し、さらに照明を常に変化させていた。光の当たり方によって、刻一刻と変化する絵の表情を楽しんだよ。観てて飽きなかったなあ。

日本美術を鑑賞する際、光の果たす役割は非常に重要である。
これはプライス氏の持論です。従来、美術館における絵画の展示照明には「限りなくフラット」であることが求められてきました。しかし平成館第4室の「特別展示(光と絵画の表情)」のコーナーでは、舞台に使われるような照明装置を使い、「自然光のように変化し、作品に表情を与える陰影ある光」を実現します。
(絵画展公式サイトより抜粋)

コレクターのジョー・プライス氏ってスゴイね。リスペクト。

カルティエ現代美術財団コレクション展

2006年06月24日 23:48 [art]

ron mueck東京都現代美術館へ 「カルティエ現代美術財団コレクション展 (Collection of the Foundation Cartier pour l'art)」 を観に行った。楽しめたよ。

個人的に収穫だったのは、アドリアナ・ヴァレジョン(Adriana Varejao)、ロン・ミュエク(Ron Mueck)、そして川内倫子の3名の作品たち。いずれもコンセプトがシンプルなのがいいね。

アドリアナ・ヴァレジョンの作品は、割れたタイルの間から血まみれの内臓が見えてグロイけど、結構好き。目が釘付けになったよ。

アドリアナ・ヴァレジョン(Adriana Varejao)ロン・ミュエクの作品は、本物そっくりな巨大な女性の像。小さいモノをでっかくするとアートになる、というよくある手法ではあるけれど、血管が透けて見えるような肌、たるんだ肉や皺、髪の毛や目など非常に精細でリアルに出来ていてすごかった。

そして今回の一番の収穫が川内倫子。非常に感銘を受けて気に入ったので、帰り際に美術館のショップで彼女の作品集 「Cui Cui」 と 「うたたね」 を購入した。今回の展示ではプリントではなく映写だったため、実際の色より彩度が上がって不思議な色になっていたが、それはそれでよかった。

川内倫子の写真はいずれも何気ない些細な日常を切り取ったものなのだが、それらはどれもが美の極致。絞りを開放して被写体深度を狭め、余計な要素をぼかしているのが俺好み。もちろんそれだけではなく、フレーミングや被写対象の選別眼が天才的で、視点の優しさに涙しそうになった。すごい。

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低段位を彷徨うシャオ使いのブログ。マンガ大好き野郎なので、このブログでは主に読んだコミックのレビューなんぞを恐れ多くも(?)書き散らしたり。

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